僕のノート

カミングアウトって、口止め契約が必要なんですか?

ryoheiasada

友達に勇気を出して告白したら…まさかのアウティング体験と学んだ教訓


「カミングアウトって、口止め契約が必要なんですか?」
大学時代、勇気を振り絞って友人にゲイであることを告白した僕。
返ってきたのは思いもよらない「まさかの反応」…そして、その先に待っていたのは、本人の許可なしに周囲へ広められる“アウティング”という落とし穴でした。 今回は、その時の出来事と、そこから学んだ「カミングアウトの落とし穴と対策」についてお話しします


カミングアウトのその後に待っていたもの

前回の記事で、大学時代に友人へ初めてカミングアウト(自分がゲイであることを自分の意思で伝えること)をしました。
しかし、その後に待っていたのは、まさかのアウティング(本人の同意なく、第三者が性的指向や性自認を他人に暴露すること)でした(汗)。

カミングアウトした相手は、実は同じゲイだった友人のタダシ(前回の記事参照)。
ところが彼は、僕が頼んでもいないのに、共通の同級生数名に自分のカミングアウトとセットで僕のことまで話しはじめたのです。

正直、面食らいました。
ただ、卒業後は会う機会も減り、「どこまで広まったのか」は分からないまま、数年が過ぎていきました。


社会人になって再びカミングアウト

社会人になって数年後、僕にはもう一度カミングアウトの機会が訪れます。
相手は会社の先輩、美奈さん。短大卒で年齢はほぼ同じ。お酒好きで、男性社員とも豪快に飲みに行くタイプ。気さくな性格ですぐに仲良くなりました。

やがて僕は転職が決まり、その会社を離れることに。
送別がてら美奈さんと2人で飲みに行ったとき、酔った勢いでカミングアウトしてしまったのです。

最初、美奈さんはなぜか泣き出しました。
「とんでもない秘密を聞かされた」とでも思ったのかもしれません。僕は少し申し訳ない気持ちになりましたが、さすが女性、受け入れは早く、その日を境に腹を割って話せる関係になりました。
その後も、美奈さんが転職してからも旅行に行くほどの仲に。

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再び訪れた試練

ところがある晩、美奈さんから携帯に電話が。

「いまさあ、会社の女子5人くらいと二丁目にいるんだけど、飲みに来ない?」

いやいや、知り合いでもない女子たちの飲み会に「ゲイの友達」として呼ばれるのは勘弁してほしい。
「今は都合悪いからまたねー」と軽く断りました。

しかし、その“またねー”が良くなかったのか、別の日にも同じような電話が。

「いま、二丁目の〇〇ってバー(※観光バー)にいるんだけどー」

冗談じゃない!行くかっ!
僕は頭にきて、「そういう誘いには乗らないから!」とハッキリ伝えました。
それ以来、美奈さんとは自然と疎遠に…。


学んだこと

仲のいい友達にカミングアウトすると、心のつかえが取れてスッキリします。
しかし同時に、こんなことも学びました。

  • 口止めは必ずすること
  • “イロモノ枠”扱いされないようにすること
  • 覚悟がないなら無理にしないこと

この経験以来、僕は「近しい人にもカミングアウトしない」と決め、それを守っています。


用語解説

カミングアウト
自分の性的指向や性自認を、自分の意思で他人に伝えること。信頼関係を築くきっかけにもなりますが、一度話すと情報が自分の手を離れるため、誰に・いつ・どこまで話すかを慎重に決める必要があります。

アウティング
本人の許可なく、第三者がその人の性的指向や性自認を他人に暴露すること。信頼関係を壊すだけでなく、精神的なダメージや人間関係の悪化を招く危険性があります。

観光バー
新宿二丁目に多く見られる、観光客や異性愛者も入りやすいカジュアルなバー。英語対応や初来店向けの雰囲気作りをしていることも多く、イベントや「二丁目体験」を目的に訪れる人が多い一方、プライベート感は薄め。

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