近すぎず遠すぎず。僕と彼の恋愛のかたち

― 同棲の思い出と、週末を重ねる今 ―
「遠すぎれば不安、近すぎればマンネリ。その間にある“ちょうどいい距離感”で、僕らは恋を続けている。」
僕と彼の距離感
今の彼氏は神奈川県に住んでいて、まだ実家暮らし。
僕の家までは電車で片道1時間半ほどかかる。
「今から会おうよ」とは言えない距離だけど、遠距離というほどでもない。
ありがたいことに、彼は毎週のように会いに来てくれる。
そのたびに「ここまで来てくれてありがとう」と、心の中で思う。
週末の過ごし方
スーパーでの買い物から始まる時間
週末はだいたい決まっていて、昼過ぎに彼が到着したら「買い物行こっか」と近所のスーパーへ。
この前はカレーを作った。
買い物かごに入れたのは、玉ねぎ・人参・じゃがいも・鶏もも肉。
ついでにサラダ用のレタスと、彼の好きなアイスクリームも。
僕がカゴを持って歩いていると、彼が「朝ごはんのパンも買う?」と横から入れてくる。
そんなやりとりが、なんだか夫婦みたいで照れくさい。
僕が作るご飯と、彼のひとこと
料理は僕が担当。
彼は「玉ねぎ切ろうか?」と声をかけてくれるけれど、結局は僕がやることが多い。
その代わり、洗い物や盛りつけは彼が引き受けてくれる。
「この味つけ、好きだな」
その一言が僕にはとても嬉しい。
冬の楽しみ、二人鍋
鍋の日はもっと楽しい。
白菜、豚肉、豆腐、しめじ…一緒にリストを考えて、
「ポン酢派? ゴマだれ派?」
「両方だね」
なんて笑いながら買い物をする。
鍋をつつき合う時間は、冬のささやかな幸せだ。
食後のリラックスタイム
食後はソファで缶酎ハイを片手に、映画やYouTubeを見るのが定番。
この前はNetflixでラブコメを観たら、彼が「俺はホラーがよかったな」と言いながら、結局は笑って観ていた。
くだらない会話をしているうちに、気づけば夜も更けていく。
寝る前の小さな未来の話
夜、ベッドに入る前には、少しだけ未来の話をすることがある。
「もし同棲したらさ、朝ごはんどうする?」
「俺は毎朝パン派だから、ケンカになるかな」
「じゃあ俺パン用意するよ。君はコーヒー淹れて」
そんな他愛ないやりとりをしながら笑って、気づけば彼は先に眠っている。
隣で彼の寝息を聞いていると、不思議と自分まで安心して眠れる。
僕の同棲経験と“あるある”
僕には、過去に同棲した経験もある。
最初は夢のようだった。
毎日一緒に料理をして、帰れば相手がいて、同じベッドで眠れる。
「これが理想の形だ」と心から思っていた。
でも、時間が経つと“同棲あるある”が顔を出した。
- 会話が「ゴミ出した?」「洗濯ものは?」など生活のことばかり
- 「好き」より「お願い」「文句」が増える
- 家族のようになりすぎて、ときめきが薄れていく
- 気づけばセックスの回数も減って、レス気味に…
安心感と引き換えに、恋人らしさが失われていくのを実感した。
同棲の難しさを知ったのは、このときだった。
今の関係で感じること
だからこそ、今の彼との「中距離」はちょうどいいのかもしれない。
毎日は会えないけれど、週末に会えるからこそ「特別感」がある。
一緒にカレーを食べて、鍋をつついて、映画を観て眠るだけ。
そんな日常的なことが、今はご褒美みたいに特別に思える。
同棲していた頃は当たり前に感じていたことが、今では一番の幸せになった。
もちろん、不安になる瞬間もある。
連絡が少ない日や、SNSに彼の交友関係が映ると、心がざわつくこともある。
でも、週末に会ったときの「会いたかった」という一言で、その不安はすぐに消えてしまう。
距離感に正解はない
同棲すれば安心は増えるけれど、恋人らしさは薄れやすい。
遠距離ならときめきはあるけれど、不安と隣り合わせになる。
僕たちはその中間にいる。
1時間半かけてでも「会いに行こう」と思える関係だからこそ、週末の時間を大切にできる。
将来また同棲をする日が来るかもしれない。
そのときは、過去の経験を思い出して「家族のように馴染みすぎない」工夫をして、恋人らしさを忘れずにいられたらいいなと思う。
✍️ 書いていて思うのは、恋愛は距離そのものじゃなくて、
その距離の中でどう関わり続けるかなんだということ。